Zwiftでのスピードは基本的にパワーを体重で割ったパワーウェイトレシオ(PWR、w/kg)を基準に計算されているようなのですが、体重の軽いライダーが平坦基調のレースやグループライドなどで『同じ集団で走っていても周りより自分の方がPWRが高い』という意見をよく見たり聞いたりします。
最初はテクニックの問題や思い込みだろうと思っていたのですが実はそうでもないらしくZwiftでの体重が速度に与える影響を検証しているデータがあるという事をTwitterで教えていただいたので紹介します。
検証データの参考サイト
https://zwiftinsider.com/wkg-tests/
参考サイトは1人のライダー(身長183cm)が32mm Zwiftホイール付きのZwiftAeroバイクでドラフト効果なしでパワーウェイトレシオを同じに保つと体重1kgずつの変化で速度にどのような影響を与えるか(速くなるか、遅くなるか)?を検証してみたという内容です。
同じパワーウェイトレシオだと体重が重いほうが速い
テストは登り(平均8.5%)と、平坦(平均0%)と、下り(-8.5%)の3パターンで行われています。
登りの場合
登りの場合、4倍であれば体重1kgの増加で約0.022kph速くなるそうです。
50kgと100kgで差が50kgですから50×0.022=1.1kphですね。
平均8.5%の登りでは50kgの4倍よりも100kgの4倍のほうが1.1kph速いということになります。
平坦の場合
平坦の場合は、4倍で体重1kg増加につき約0.11kph速くなります。
50kgと100kgだと5.5kphも違います!これはかなり違いますね・・。
下りの場合
下りにおいてはさらに差が広がり、4倍・1kg増加で約0.214kph、50kgの差で10.7kphもの差!
この検証結果から分かるように同じパワーウェイトレシオで走っている場合は体重が重いほうが速いという事ですね。登りはほとんど差がありませんが平坦と下りは差が大きいです。
詳しいデータは参考サイトをぜひ見て下さい。
軽量級のライダーはパワーウェイトレシオを上げやすいが重量級は上げにくい
ここで注意というかポイントとしては50kgの軽量級ライダーと100kgの超重量級ライダーが同じ4倍のパワーを出そうとした場合、多くの場合は100kgの超重量ライダーのほうが大変なはずです。
100kgライダーが4倍を出そうとすると400Wものパワーが必要ですからいくらなんでもそんなライダーはほとんどいないでしょう。5倍だと500Wですよ・・!
なので理論上体重が重いほうが有利のように見えますが実際はそんな単純なものではないと思います。まあでも平坦や下りでは軽量ライダーが不利なのは確かでしょうね。
ミートアップなどで体重を軽くしてFTPのパワーウェイトレシオを合わせていても体重が重いライダーより不利になる
ミートアップなどではライダー同士の脚力差を埋めるために脚力が低いライダーが体重設定を落として設定上のPWRを上げて脚力を合わせる事がありますがこの場合FTPのPWRを同じに合わせても体重を軽くしているほうが理論上では不利になりますね。
なので体重を軽くしてPWRを合わせる場合は同じPWRではなく相手より少し高めのPWRになるようにしておくと丁度いいかもしれません。
まあ強い人はPWRが同じ、いや低くても強いんですけど・・(回復が速かったり、アタックを何発も打てたり、メンタルも強かったり、テクニックも豊富、生まれながらにしてetc..etc..etc..)