富士ヒルクライムでブロンズを取るなら◯倍、シルバーなら◯倍、とパワーウェイトレシオを目安にトレーニングしている方は多いかと思います。
ちなみに巷で言われているパワーウェイトレシオの目安は以下のような感じでゴールド5倍説というのは結構有名かな?と思います。
- ブロンズ:3.3倍
- シルバー:4.2倍
- ゴールド:5倍
これはヒルクライムシミュレーションで計算するとこんな数値になるんですが実際走ってみたデータでは「もう少し低いパワーになる」のです。
実際のデータとシミュレーションの比較
実際に自分が走ったデータとヒルクライムシミュレーションでの比較をしてみます。
2021年の自分の走行データ
2021年の富士ヒルの走行データです。
- タイム:67分33秒
- 平均パワー:233W
- 体重:54.5kg
- パワーウェイトレシオ:4.27倍
- 機材+装備:8kg
で、下記が上記のタイム、体重、装備重量をヒルクライムシミュレーションに入力して計算すると必要なパワーが262.5W、4.82倍と出ます。
あれ、、全然違いますね・・!
2020年の自分の走行データ
2020年の富士ヒルの走行データも比較してみます。
- タイム:70分42秒
- 平均パワー:228W
- 体重:56kg
- パワーウェイトレシオ:4.07倍
- 機材+装備:8kg
こちらもヒルクライムシミュレーションに入れて計算すると253W、4.52倍となりました。
これも全然違います!
なぜヒルクライムシミュレーションと実際のデータにかなりの差が出るのか?
これは集団走行と高地による空気抵抗削減のせいと思われます。
富士ヒルは平均勾配が5%とゆるめな上にところどころ平地に近い斜度があったりラストの1kmは完全に平坦です。なので集団で走ると空気抵抗の削減がかなり受けれると思います。
もう一つは高地による空気抵抗削減ですが、富士ヒルのコースのスバルラインはスタート地点からすでに標高1,000mを超えている高地です。
高地だと空気が薄いため空気抵抗が減るというわけです。
実際に走るとパワーの割にスピードがよく出ます。これは一人で走っていても体感できました。
この集団と高地のおかげでシミュレーションの結果とかなりの差が出てくるというわけです。
これは自分のデータだけでなく知り合いやパワーと体重を公開している方のデータを見ても同様でした。
かなり精度が高い気がするシミュレーター「脳内サイクリング」
脳内サイクリング Rev.1というヒルクライムのシミュレーターを作られているサイトがあるのですが妙に精度が高いのです。
脳内サイクリング Rev.1
http://module.jp/tt/1/index.html
脳内サイクリング Rev.1について
「脳内サイクリング」はGPSデバイスのログや地図サイトから取得した標高つきコース情報を元に、自転車個人タイムトライアル(主に山岳TT)のタイム・速度・走行抵抗のシミュレーションを行ないます。ただいま絶賛開発中。
サイトの説明によると実際に走ったデータを元にシミュレーションされているらしくやたら精度が高いです。
自分の2021と2020の富士ヒルのデータでやってみたところほぼタイムが一致・・!どちらも30秒以内の誤差です。
2021年
- 実際のタイム:67分33秒
- 脳内サイクリング:67分58秒
2020年
- 実際のタイム:70分42秒
- 脳内サイクリング:70分17秒
じゃあ脳内サイクリングのパワーを目標にするといいの・・?答えは・・半分正解、半分間違い
脳内サイクリングの精度が高いなら脳内サイクリングでシミュレーションして出てきたパワーが出せるようにすればいいのでは・・?と思いますよね。
これは半分正解で半分間違いです。
ちなみにレースはパワーじゃない!というのもありますがそれはとりあえず置いておいて、、。
なぜかと言うと高地だと酸素が薄いため平地の時よりパワーが出ないのです。
普段標高1,000m〜2,000mといった高地に住んでいる人なら問題ないですが大体の人はそんな高地に住んでません。
平地で出せるパワーが富士ヒルだと大体1割ほど落ちます。
それを考慮したパワーを目標にしたほうがいいです。
例えば脳内サイクリングで必要なパワーが250Wと出たとしたらその1.1倍を目標に平地ではトレーニングすると良いと思います。
自分はゴールド目標で体重+装備で65kg目安なので脳内サイクリングでは64分260W必要と出ました。260Wの1.1倍は286Wなので平地で64分間286Wが目安の目標となります。うーんめっちゃ大変・・!
巷で言われている目安のPWRは平地での目標PWRだった!
脳内サイクリングでブロンズ、シルバー、ゴールドのPWRを出してみたところ以下のような感じになりました。
で、、高地を考慮して1.1倍するとあら!巷で言われている目安のPWRと同じになりましたw
結局巷で言われている目安を目標にがんばれってことですね!w
で、富士ヒルで実際に走る時は1割落ちる想定で走る・・と!
- ブロンズ:3.3倍
→脳内サイクリングだと3.0倍くらい(平地では1.1倍の3.3倍目標) - シルバー:4.2倍
→脳内サイクリングだと3.77倍くらい(平地では1.1倍の4.2倍目標) - ゴールド:5倍
→脳内サイクリングだと4.5倍くらい(平地では1.1倍の5倍目標)
まとめ
- 巷で言われているPWRの目安は集団と高地による空気抵抗削減が考慮されていない
- 脳内サイクリングというサイトのシミュレーションの精度がやたら高い
- 富士ヒルでは平地で出せるパワーより1割ほど落ちる
- 1割落ちる事を考慮して目標パワーを決定したほうがいい
ま、、レースはパワーだけじゃないですけどね!(大事)