ロードバイクはフレーム以外が消耗品と言われる乗り物なので、寿命がきたタイミングで新しいパーツと交換しなければなりません。
交換時期を過ぎたパーツをそのまま使い続けると、走行性能を落としてしまうだけでなく、連動しているその他のパーツの消耗を早めてしまいます。
中でも、コンポーネントは消耗が激しい部品でもあるため、適切な時期に交換をしてください。
そこで今回はロードバイクのコンポの寿命について解説していきます。
1.コンポはパーツによって寿命の長短が分かれる
ロードバイクのコンポーネントは、駆動系を司るパーツの総称を指す言葉ですが、主に以下のようなパーツが含まれます。
- F/Rディレイラー
- シフトレバー
- クランク
- チェーンリング
- スプロケット
- チェーン
- ブレーキ
それぞれのパーツごとに走行中の役割が異なるため、消耗度合いにも差が生まれます。
パーツによって定期的な交換が必要なものもあれば、メンテナンスすれば長期に渡って使用し続けられるパーツもあります。
コンポの中でも寿命が短いパーツに関しては、細かく消耗度合いをチェックしながら、適切なタイミングで交換するようにしましょう。
2.寿命が比較的短いコンポの交換時期
コンポの中でも比較的寿命の短いパーツとしては以下のものが挙げられます。
- チェーン
- チェーンリング・スプロケ
- ブレーキシュー・ディスクローター/パッド
では、それぞれのパーツの交換時期について詳しく見ていきましょう。
①チェーン
チェーンは使っていくうちに伸びていきスプロケやチェーンリングの歯との噛み合いが悪くなってしまいます。
伸びたチェーンで走り続けると歯の消耗を早めてしまうので、伸びを確認した際にはすぐにでも交換しましょう。
パーツ代も1,000円〜2,000円程度で済むので、チェーンに関しては積極的に交換してください。
気になる交換時期の目安ですが、チェーンチェッカーを使って伸びを計測するのが最も簡単です。
規定以上の伸びを確認したらすぐに交換しましょう。
また、器具を使わなくてもチェックする方法もあります。
フロントギアをアウターにセットして、チェーンを外側に引っ張った際、チェーンとチェーンリングに隙間ができるようであれば、チェーンが伸びていると判断できます。
走行距離の目安としては3,000〜4,000kmなので、数ヶ月の1度ぐらいのペースでチェーン伸びを確認にしてみてください。
②チェーンリング・スプロケ
チェーンリングやスプロケも使う中で歯が摩耗して寿命を迎えます。
歯が摩耗すると鋭利な形になってきて、そのままの状態で使い続けるとチェーンの消耗を早めてしまいますし、トルクをかけた際の引っ掛かりも悪くなるでしょう。
見た目のチェックポイントとしては、チェーンリングやスプロケの歯を確認して、痩せて尖った形状になっていれば交換してください。
チェーンリングを交換する際はクランクごと変えなくても、チェーンリング単体で購入できます。
走行距離の目安としては10,000km程度と考えられるので、年に1回ぐらいのペースでチェックをしてください。
③ブレーキシュー・ディスクローター/パッド
ロードバイクの制動を行うブレーキシューやディスクローターも摩耗によって交換時期を迎えます。
ブレーキ周りは安全性に関わるパーツでもあるため、寿命を迎える前に交換しておくのが無難です。
ブレーキシューの場合は、シューの溝が見えなくなるほど削れてきたら交換のサインとなります。
ディスクローターについては、ブレーキをかけた際に音鳴りがひどいと感じたときや、ローターの厚さが0.5mm以下になったタイミングで交換してください。
3.寿命が長いコンポの交換時期
コンポの中でも寿命が長いのは以下の3つです。
- F/Rディレイラー
- シフトレバー
- クランク
- ブレーキキャリパー
これらのパーツに関しては、交換する機会自体がほとんどないので、適切なメンテナンスを繰り返して良い状態を保つようにしてください。
①F/Rディレイラー
シフトチェンジで活躍するディレイラーですが、意外にも寿命は非常に長く、数万kmと走っても問題なく機能することもあります。
もちろんメンテナンスや微調整は必要なのですが、転倒などでブツけない限りは交換する必要はほとんどありません。
寿命を迎えて交換するよりも、コンポのアップグレードで取り替える方が多いです。
ただし、プーリーについてはスプロケなどと同様に消耗が激しいので適宜交換しましょう。
プーリー単体なら1,000円もしないですし、上位グレードのベアリング付きのものにしてアップグレードすることができます。
②シフトレバー
シフトレバーについても、注油やクリーニングを定期的に行っておけば、長期にわたって使用し続けられるパーツです。
「メンテナンスをしているのにシフトレバーが壊れた」というケースはほとんど聞きません。
交換する理由のほとんどはアップグレードやカスタマイズと考えられます。
③クランク
クランクに関しても摩耗が激しいパーツではないので、長期に渡って使い続けられます。
チェーンリング単体を交換することでカスタマイズも可能なので、クランクだけで5年以上使い続けるといったことも可能です。
もちろんメーカーやグレードによって剛性の良し悪しがあるので、パワーがある人が使っていると、クランクが割れてしまう可能性があります。
それ以外の理由で寿命を迎えるケースはほとんどないと考えられるため、メンテナンスをしながら使い続けてください。
④ブレーキキャリパー
ブレーキシューは定期的な交換が必要ですが、ブレーキキャリパーについてはかなり長く寿命が持ちます。
こちらについても注油やオーバーホールを行うことで、何年にも渡って使用が続けられるので、アップグレード以外の理由で交換することはまずないでしょう。
4.SHIMANOコンポはグレードが高いほど寿命が長い
コンポについては「SHIMANO(シマノ)」をお使いの人がほとんどですが、SHIMANOのコンポはグレードが高いほど寿命が長いと言われています。
もちろん使用状況やメンテナンスの頻度によっても変わってきますが、上位モデルほど性能だけでなく、耐久性が上がるため、長く使い続けられます。
デュラエースやアルテグラについてはレースでの使用も視野に入れた設計になっているので、当然と言えば当然です。
ただし、下位グレードでも街乗りやポダリング程度であれば、メンテナンスをすることで長く持つので、自分に合ったグレードのコンポを選ぶのも重要です。
5.コンポの寿命を長くする方法
コンポの寿命を伸ばすポイントは主に以下の3つです。
- 室内保管
- クリーニング/微調整
- 注油
まずは室内での保管が重要です。
雨風や紫外線の影響を受けないので、ゴム部分の劣化や金属部分の錆が防止できます。
次に、クリーニングと微調整です。
クリーニングで汚れを落とすことで、パーツ同士の摩耗を小さくすることができますし、微調整を行って適切な位置に合わせれば、コンポの消耗も最小限にできるでしょう。
最後に、注油をして潤滑性を高めてください。
チェーンやスプロケなどの潤滑性を高めることで、パーツ同士の摩耗を小さくして寿命を伸ばすことができますし、ブレーキキャリパーやディレイラー、シフトレバーの軸の部分に注油することで動きをスムーズにできるでしょう。
この3つを適切に行うことでコンポの寿命を最大限伸ばすことができます。
ロードバイクの走行性能を維持したい方やパーツ代を最小限に抑えたい方はぜひやってみてください。
6.まとめ
ロードバイクのコンポの寿命について解説していきました。
寿命の短いパーツについては、目視によるチェックを適宜行って消耗具合を見定めてください。
使用状況やメンテナンスの頻度によっても消耗具合が異なるので、走行距離はあくまで目安として、最終的な判断は目視や動作確認を基準にしましょう。
コンポの寿命を把握して、ロードバイクの性能を維持してみてください。